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子ども一人増えると家計はいくら変わる?年齢別の固定費シミュレーション

この記事の要点

  • 子ども一人で増える費用は「毎月の固定費」と「入園・進学で一度にドカッと出る一時費用」に分ける。これだけで漠然とした不安が具体的な数字になる。
  • 支出が一番重いのは乳幼児期ではない。塾・受験・進学が折り重なる小学校高学年から大学の後半戦だ。出費の山は後ろにある。
  • 未就学期はむしろ軽い。2019年の無償化で3〜5歳の保育料は原則ゼロ。世帯によっては「思ったより増えない」局面ですらある。
  • 本当の地雷は支出増ではなく、育休・時短で収入が落ちる時期と出費が重なること。同じ年に谷と山が来る世帯が一番危ない。
  • 本記事の金額は2024〜2025年時点の一般的な目安。保育料・児童手当・助成額は改正で変わるため、最新は公式情報や専門家へ。
本当の地雷は支出増ではなく、育休・時短で収入が落ちる時期と出費が重なることだ。

固定費と一時費用を分ける。これが全部の出発点

「もう一人増えたら、家計はもつのか」。この不安が妙に重く感じるのは、増える費用を一つの巨大な塊として頭の中で転がしているからだ。実際の出費は、性質のまったく違う二種類に割れる。

一つは、毎月決まって出ていく固定費。食費、被服費、保育料、習い事、子どもの通信費。もう一つは、出産準備、入園・入学、受験、進学のたびに一度きりでドカッと出る一時費用だ。家計の体感を狂わせる犯人は、ほぼこちら。毎月の数字はじわじわでも、ランドセルと制服と入学金が同じ春にまとめて来ると、口座の残高は一瞬で凹む。

判断基準も別物だ。固定費は「毎月の手取りで飲み込めるか」。一時費用は「いつ、いくら要るかを前もって積めるか」。この二つを切り離すだけで、相手は「漠然とした不安」から「対処できる課題」に変わる。怖いのは正体が見えないからで、正体さえ割れば打ち手はある。

保活の年間スケジュール(認可・4月入園の例)
認可保育園・翌4月入園を狙う年間の動き4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月4月情報収集・見学候補園をリスト化見学のピーク夏までに足を運ぶ申込(一次)11〜12月が締切結果通知1〜2月に内定入園4月スタート

※申込時期・選考方法は自治体ごとに異なります。お住まいの市区町村の最新の募集要項をご確認ください。

年齢別:毎月の固定費は中身が入れ替わっていく

子ども一人が増えて毎月乗ってくる固定費は、年齢とともに顔ぶれが入れ替わる。あくまで目安だが、増減の傾向はこう整理できる。

時期主に増える固定費毎月の増分の目安
0〜2歳(未就園)ミルク・おむつ・被服、保育料(認可外の場合)2〜5万円程度
3〜5歳(幼児)食費・被服、習い事(幼児教育・保育は無償化対象)1〜4万円程度
小学校(低〜中学年)食費・学用品・習い事・学童2〜5万円程度
小学校(高学年)食費増、塾の開始3〜6万円程度
中学・高校食費(大幅増)・塾・部活・通学費4〜8万円程度

表を上から下まで眺めて、意外に映るはずだ。毎月の負担が一番軽いのは幼児期。2019年からの幼児教育・保育の無償化で、3〜5歳児の保育料は原則かからなくなった(給食費などの実費は別途)。0〜2歳児は住民税非課税世帯を除いて有償だが、認可保育所の保育料は世帯所得で決まる。共働きで世帯年収が高いほど上限に張りつきやすいので、ここだけは「無償化の蚊帳の外」と覚えておくといい。

固定費が本気で重くなるのは、食べる量が大人と並び、塾と部活が乗ってくる思春期以降だ。「乳児期さえ乗り切れば一段落」というイメージは、はっきり逆。出費の山は前半ではなく後半に控えている。むしろ赤ちゃんの今こそ、後半の山に向けて仕込める一番おいしい時期だと思っていい。

一時費用は「集中する年」を見ておく

毎月の固定費がなだらかでも、特定の一年に出費が固まると家計は揺れる。代表選手はこのあたり。

  • 出産前後:ベビーベッド、チャイルドシート、ベビーカー。出産費用そのものは出産育児一時金が相当部分を埋めるが、準備品で十数万円が飛ぶことがある。
  • 小学校入学:ランドセル、学習机、体操着。ランドセルだけで数万円台が当たり前になった。
  • 中学・高校入学:制服、通学用品、教科書外の教材。私立なら入学金や設備費がさらに重なる。
  • 受験・進学:塾の講習費、受験料、入学金。大学進学は初年度にまとまった納付金が要る。ここが生涯で最大の山だ。

一人目で一度通った道なら、二人目以降はベビー用品も学用品もある程度使い回せる。出産・乳児期の一時費用は素直に抑えやすい。ただし誤解しないでほしいのは、塾代と進学費用には「お下がり」が効かないこと。塾の月謝も大学の入学金も、子どもの数だけ正直に二倍、三倍になる。後半の山は人数分そのまま積み上がる、と割り切っておくほうがいい。

本当の地雷は「支出増」ではなく「収入減との重なり」

家計が苦しくなる本当の原因は、支出が増えることそのものではない。その同じ時期に収入が落ちることだ。出産・育児には、こういう収入の谷がついて回る。

  • 産前産後・育休中は、給与の代わりに給付(出産手当金・育児休業給付)になり、手取りが下がる。
  • 復帰後に時短を選べば月給が下がる。賞与や将来の昇給にも響きうる。
  • 保育園に入れず、復職が後ろにずれて片働き期間が延びる。

つまり「固定費が月3万円増える」より、「収入が月10万円減る年に、固定費が3万円増える」ほうが、ダメージは桁違いに大きい。前者は手取りの内側で吸える。後者は手取りそのものが痩せた上に出費が乗るから、貯蓄を削るしかなくなる。費用の増加だけを見て震えるのは筋が悪い。やるべきは、収入と支出を同じ時間軸に並べ、どの年に谷と山がぶつかるかを先に潰すこと。第二子を計画するなら、上の子の進学費用と下の子の育休が同じ年に来ないか、その一点だけでも数えておく価値がある。

なお、これらの給付、保育の可否、児童手当の額は、2024〜2025年時点でも見直しが続く分野だ。具体的な金額は、住んでいる自治体・勤務先・公式情報で必ず最新を取りにいってほしい。

家計簿と電卓を広げた机
家計簿と電卓を広げた机

家計を崩さないための手順

不安を行動に変える。難しい家計簿は要らない。この順番で点検すれば十分だ。

  1. 今の固定費を一枚に書き出す:住居費、通信費、保険、サブスク。毎月必ず出るものを全部出す。子どもが増える前に、ここで削れる固定費を先に探す。新しい出費を作る前に、古いムダを一つ消すのが順番として正しい。
  2. 収入の谷の時期を確認する:育休・時短をいつまで取るか、その間の手取りはいくらになるか。給付の試算は勤務先や公式窓口でできる。ここは推測でなく、実際の数字を取りにいく。
  3. 一時費用を「いつ・いくら」で年表にする:入園、小学校入学、受験、大学。大きな出費の年をカレンダーに置く。先が見えれば、慌てて借りる事態は避けられる。
  4. 増える固定費を毎月の手取りで吸えるか試算する:吸いきれない分だけを、貯蓄の取り崩しか支出見直しで埋める計画にする。全部を見直そうとすると続かない。
  5. 進学費用は「先取り」で積む:最大の山である大学等の費用は、生まれた瞬間から少額でも自動積立にしておく。後半の山がなだらかになる。

勧めたいのは、すべてを節約で押し切らないことだ。変動しやすい食費や被服費を毎日チマチマ我慢しても、効果は小さいうえに気持ちがすり減る。それより、効果の大きい固定費を一発で削り、空いた力を一時費用を前もって積む仕組みに回す。結果として、家計も気持ちもよほど安定する。

判断軸:この三つで「やっていけるか」が見える

増員に迷ったら、ここに立ち返る。三つだけでいい。

  • 毎月の固定費の増分を、今の手取りで吸えるか。吸えないなら、まず固定費の見直し余地が先にあるかを確認する。
  • 収入が落ちる時期と、大きな一時費用が重なる年はないか。重なるなら、その年に向けて手元資金を厚く積んでおく。
  • 後半(高校・大学)の山に向けて、今から少額でも積立を始められるか。金額より、自動で続く仕組みかどうかが効く。

この三つに「おおむね大丈夫」と言えるなら、目の前の出費増は十分に乗り越えられる範囲にある。逆に引っかかるなら、課題は支出そのものではなく、収入の谷か進学費用への備えにあるというサインだ。我が家のお金の流れを一度まるごと見える化したい人は、無料診断で現状を棚卸しするところから始めてみてほしい。

家計を崩さないための点検チェックリスト

  • 住居費・通信費・保険・サブスクなど、今の固定費を一枚に書き出して削れる箇所を先に探す
  • 育休・時短をいつまで取り、その間の手取りがいくらになるかを勤務先や公式窓口で確認する
  • 入園・小学校入学・受験・大学など大きな一時費用を「いつ・いくら」で年表にする
  • 増える固定費を毎月の手取りで吸えるか試算し、吸えない分だけ計画で埋める
  • 大学等の進学費用は生まれた時点から少額でも自動積立にしておく
  • 収入が落ちる年と大きな一時費用が重なる年がないかを先に確認する

よくある質問

子どもが一人増えると、毎月の固定費はどのくらい増えますか?

一般に、増える固定費は食費・被服費に加え、年齢が上がるにつれ保育料や教育費、習い事費が中心となります。乳幼児期は比較的緩やかで、進学とともに段階的に増す傾向があります。世帯ごとに差が大きいため、ご家庭の生活水準を前提に年齢別で試算されることをおすすめします。

未就学児の時期は何にお金がかかりますか?

一般に、保育料、おむつ・ミルクなどの消耗品、被服費が中心です。保育料は自治体や世帯の状況により扱いが異なり、近年は無償化の対象範囲も変化しています。適用条件や対象年齢は改正で変わり得るため、最新は自治体の公式情報や専門家にご確認ください。

児童手当などの公的支援で、増える負担はどの程度補えますか?

一般に、児童手当をはじめとする給付は子育て費用の一部を補う役割を果たしますが、全額を賄うものではありません。支給額・所得制限・対象年齢は改正で変わり得ます。最新の内容は内閣府や自治体の公式情報、または専門家へご確認のうえ、家計計画に反映されることをおすすめします。

二人目を考える際、家計面で最初に確認すべきことは何ですか?

一般に、住居費・保険・教育費といった固定費の将来見通しと、保育の受け皿、就労状況の変化を確認することが出発点となります。世帯ごとに前提が異なるため、年齢別の支出を時系列で並べ、収入とのバランスを点検されると判断しやすくなります。

本記事は一般的な情報提供であり、個別の法務・税務・投資・医療上の助言ではありません。税率・控除・限度額・助成などの制度は改正により変わります。最新かつ正確な情報は公式機関の発表や専門家へのご確認をお願いします。

文・編集/世帯白書 編集部 ・ 監修:準備中(公開時に有資格者を明記します)

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