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住宅ローン控除2026年版、共働きで控除を最大化する組み方

この記事の要点

  • 住宅ローン控除は「年末残高×0.7%」が枠の大きさ。ただし実際に戻るのはその人が納めた所得税・住民税の範囲まで。共働きが損をする最大の原因は、年収の低いほうに借入を寄せて控除枠を余らせ、消すことです。
  • 制度の核は住宅の省エネ性能で借入限度額が階段状に変わること。性能が高い住宅ほど控除の器が大きく、夫婦で分け合う価値が跳ね上がります。
  • 二人ぶん控除を取るなら選択肢は「連帯債務」か「ペアローン」の二択。単独名義や連帯保証では、もう一方は1円も戻りません。
  • 借入は均等が正解ではありません。年収差が大きいほど、稼ぐ側へ寄せる傾斜配分が有利です。ただし育休予定があるなら話は逆になります。
  • 数値は2024〜2025年時点の一般的な内容です。最新は公式情報・専門家へ。
余った5万円はそのまま消えます。繰り越せません。

「結局いくら戻るのか読めない」その正体

住宅ローン控除は、毎年の年末残高の0.7%が原則13年間、税金から戻る制度です。式だけ見れば小学校の算数。なのに共働き世帯ほど「うちはいくら戻るのか、契約直前まで分からなかった」と言う。理由は二つあります。

ひとつは、住宅の省エネ性能で控除対象の借入限度額が階段状に変わること。もうひとつが厄介で、戻る額は「残高×0.7%」の計算結果そのままではなく、その人が実際に納めた所得税・住民税が天井になる。制度上の上限と、自分が現実に取り戻せる額は別物なんです。ここを混同したまま借りると、枠を使い切れずに毎年こぼし続けます。

共働きが難しく見えるのは、この「器の大きさ(借入限度額)」と「実際に注げる量(各自の納税額)」を、夫婦二人ぶん同時に合わせにいく必要があるから。逆に、この二つを切り離して順番に潰せば、設計は驚くほど単純になります。

手取り月収に対する返済比率と安全圏の目安
手取り月収に対する毎月返済額の割合(単位:%)安全圏20%許容25%注意30%借りすぎ40%0ここまでが目安審査の上限ライン(額面年収の35%目安。通る=安全ではない)手取りベースで20%以内に収めると、教育費や急な出費にも備えやすい。

※一般的な目安です。最新の制度・数値・個別事情は必ずご確認ください。

まず「2つの天井」だけ覚える

控除額は、次の2つの天井の低いほうで頭打ちになります。

  1. 残高の天井:年末残高×0.7%。ただし残高は、住宅性能ごとの借入限度額までしか計算に入りません。
  2. 納税の天井:その年に納めた所得税。引ききれない分は翌年度の住民税からも引けますが、住民税側にも上限があります。

計算上は年20万円の枠があっても、その人の所得税+控除可能な住民税が合計15万円なら、戻るのは15万円。余った5万円はそのまま消えます。繰り越せません。共働きで年収の低い側に借入と名義を寄せると、まさにこの「枠が余って蒸発する」状態が起きる。これが損の正体です。

住宅の性能区分は、上から「長期優良住宅・低炭素住宅」「ZEH水準省エネ住宅」「省エネ基準適合住宅」「それ以外」。上の区分ほど借入限度額が大きく、夫婦で分け合える器も広い。新築で性能の高い物件を選ぶことは、それ自体が共働きの控除戦略の第一手です。

共働きの「名義と借り方」3パターン

二人とも控除を受けられるかは、ローンの形で決まってしまう。代表的な3つを並べます。

借り方債務の形控除を受けられるのは
単独ローン一方だけが債務者債務者本人だけ
連帯債務二人で一つのローンを共同で負う持分・負担割合に応じて二人とも
ペアローン二人がそれぞれ別のローンを契約それぞれ自分の残高で二人とも

ここで一番引っかかるのが、「連帯保証」は連帯債務とは全くの別物だという点。連帯保証だと、保証人側は債務者ではないので控除はゼロ。本人たちは「二人で返している」つもりでも、書類の一語で結果がひっくり返ります。営業担当の言葉ではなく、契約書のどの欄に誰の名前が入るかで判断してください。

二人ぶん取りにいくなら、実質は連帯債務かペアローンの二択。団信の付き方、片方が亡くなったときに残債がどこまで消えるか、事務手数料が一本ぶんか二本ぶんか——ここが両者で大きく違います。控除だけで決めると、いざというときの保障で泣きます。控除・保障・コストの三点をセットで比べること。

借入配分を決める4ステップ

どの比率で借りれば控除を取り切れるか。順番にやれば、専門家に相談する前に当たりがつきます。

  1. 住宅の借入限度額(器)を確認する
    買う物件の性能区分から、控除対象の借入限度額を出す。これが夫婦で分け合える総量の上限です。
  2. 各自が年に使える納税額を見積もる
    夫婦それぞれの所得税と、控除に回せる住民税のおおよその合計を出す。源泉徴収票の所得税額が出発点。
  3. 各自の「使い切れる残高」に換算する
    使える納税額を0.7%で割り戻す。たとえば納税14万円なら、14万円÷0.007=約2,000万円。これがその人が取り切れる残高の目安です。
  4. 限度額の中で、使い切れる比率に寄せる
    二人とも枠を余らせない比率へ借入と持分を配る。年収差が大きいほど、稼ぐ側に厚く配るほうが取りこぼしが減ります。

持分割合と、実際に誰がいくら出したかの資金負担割合がずれると、差額が贈与とみなされることがあります。配分は「実際に出すお金」と必ず一致させてください。節税のつもりが課税を呼ぶのが、ここでの典型的な事故です。

見落とすと逆に損する落とし穴

最大化するつもりが、かえってこぼす。よくある四つを挙げます。

  • 育休・時短で納税が落ちる時期:控除期間中に一方が育休や時短に入ると、その間は納税が減って枠を使い切れません。近いうちに出産・育児の予定がある世帯は、稼ぐ側への傾斜をやりすぎないこと。むしろ、休む側の借入を軽くしておくのが正解です。配分の鉄則は世帯のライフプランで反転します。
  • 繰上げ返済のしすぎ:残高が減れば控除額も減る。控除期間中の繰上げは、利息の軽減と失う控除を天秤にかけてから。早く返すのが常に得とは限らない場面の一つです。
  • 性能証明書類の取り忘れ:高い性能区分で控除を受けるには所定の証明書が要ります。引き渡し前後の取得段取りを、工務店・不動産会社へ早めに確認を。後から取れず一段下の枠になる事故は珍しくありません。
  • 初年度の確定申告:控除1年目は夫婦それぞれが申告します(2年目以降は会社員なら年末調整でOK)。共働きだと片方が申告を忘れがち。その年は控除がまるごと飛びます。
源泉徴収票と書類で借入配分を確認する手元
源泉徴収票と書類で借入配分を確認する手元

契約前にやるべきこと

住宅ローン控除は、契約後に借り方や名義を変えるのがほぼ効かない制度です。勝負は申し込み前。ここで設計が決まります。

用意するのは二つだけ。購入候補の性能区分と、夫婦それぞれ直近の源泉徴収票(所得税額)。これで各自の「使い切れる残高」を出し、限度額の中に配分を仮置きする。そのうえで、これから数年の育休・転職・時短など収入が動く予定を必ず重ねてください。今の年収だけで均等配分を組むと、育休に入った瞬間に枠が余ります。

限度額・控除率・対象要件は改正で動く数値です。本記事は2024〜2025年時点の一般的な内容で、最適解は世帯の収入構成と物件で変わります。最終判断は最新の公式情報を確認のうえ、税理士やファイナンシャル・プランナーに当ててから固めてください。我が家の借入配分の当たりをつけたい方は、無料診断から整理してみてください。

契約前に確かめる、控除を取り切るための確認リスト

  • 購入候補の住宅性能区分から、控除対象の借入限度額(器の上限)を確認する
  • 夫婦それぞれ直近の源泉徴収票で、各自の所得税額(使える納税額)を出す
  • 使える納税額を0.7%で割り戻し、各自の『使い切れる残高』の目安を出す
  • 枠を余らせない比率へ借入と持分を配り、持分は実際の資金負担割合と一致させる
  • これから数年の育休・転職・時短など、収入が動く予定を配分に重ねて見直す
  • 団信・残債の消え方・事務手数料を含め、控除・保障・コストの三点で借り方を比べる

よくある質問

共働きで住宅ローン控除を最大化するには、ペアローンと連帯債務のどちらが有利ですか。

一般に、夫婦それぞれが債務者となるペアローンや連帯債務型は、二人分の控除枠を活用しやすいとされます。ただし双方に十分な所得税・住民税の納税額があることが前提で、収入差が大きい場合は効果が薄れます。最適な配分は家計と年収構成で異なるため、最新の制度は公式情報や専門家へご確認ください。

2026年に住宅ローン控除を受ける場合、控除率や借入限度額はどうなりますか。

住宅ローン控除は控除率や借入限度額、適用要件が制度改正で頻繁に見直されます。とくに省エネ性能や子育て世帯向けの区分で限度額が異なる扱いが続いてきました。具体的な数値は年度で変わりますので、断定は避け、最新は国税庁など公式情報や税理士へご確認いただくことをおすすめします。

夫婦どちらか一方の収入が高い場合、名義や持分はどう決めるとよいですか。

一般に、住宅ローン控除は本人の所得税・住民税の範囲内でしか控除されないため、納税額が大きい側に偏らせると控除しきれない場合があります。持分は出資割合に応じて設定するのが原則で、贈与とみなされる恐れもあります。配分は税負担と将来設計の両面から、専門家へご相談ください。

産休・育休で一方の収入が下がると、住宅ローン控除はどうなりますか。

一般に、控除はその年の所得税・住民税から差し引かれるため、育休等で課税所得が減ると控除を使い切れないことがあります。共働き前提で組んだ控除枠が一時的に活かしにくくなる点に注意が必要です。復職時期や収入見通しを踏まえた設計について、最新情報は専門家へご確認ください。

本記事は一般的な情報提供であり、個別の法務・税務・投資・医療上の助言ではありません。税率・控除・限度額・助成などの制度は改正により変わります。最新かつ正確な情報は公式機関の発表や専門家へのご確認をお願いします。

文・編集/世帯白書 編集部 ・ 監修:準備中(公開時に有資格者を明記します)

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