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RSU・ストックオプションの税金、確定申告で損しない手順

この記事の要点

  • RSUもストックオプションも、課税は「権利が自分のものになった瞬間」と「売って現金にした瞬間」の二回。この二回を一回だと思い込むのが、申告漏れの入口です。
  • 権利確定益・行使益は給与所得などとして総合課税、売却益は譲渡所得として申告分離課税。同じ株なのに、税のルールが途中で切り替わります。
  • 外資系の場合、会社の年末調整では終わりません。自分で確定申告するのが基本だと思ってください。とくに海外証券口座は源泉徴収されず、誰も代わりにやってくれません。
  • 勝負は「円換算・取得価額・源泉徴収の有無」を一枚の表に落とすこと。海外で先に取られた税は外国税額控除で取り戻せることがあります。
  • 本記事は2024〜2025年時点の一般的な制度に基づく情報です。最新は国税庁の公式情報と税理士へご確認ください。
RSUもストックオプションも、課税は「権利が自分のものになった瞬間」と「売って現金にした瞬間」の二回。

まず「二回課税される」と腹をくくる

配偶者が外資で株式報酬を受け取り始めると、最初にぶつかるのが「結局、いつ、何に税金がかかるのか」という壁です。ここは難しく考えなくていい。課税は二回ある、とだけ覚えれば全体が見えます。

一回目は、株が実際に自分の名義になる瞬間。RSUなら権利確定(ベスティング)、ストックオプションなら権利行使のタイミングです。ここで生まれた利益は「働いた対価」とみなされ、原則として給与所得などに乗って総合課税されます。

二回目は、その株を売って現金に換える瞬間。受け取った時より値上がりしていれば、その差額が譲渡所得になり、申告分離課税で計算します。

つまり「もらった時」と「売った時」は、税の種類も計算式も別物。両方をそれぞれ申告する、という二段構えを最初に飲み込んでおけば、あとは作業です。

世帯年収別・iDeCo等による年間節税額の目安
年間の節税額(万円)0481216約5.5万円世帯年収〜700万円約8.2万円〜1,000万円約13.5万円〜1,500万円iDeCoの掛金は全額が所得控除。税率が高い高所得世帯ほど戻りが大きい。

※掛金上限・税率・家族構成・他の控除で大きく変動します。実額はシミュレーションでご確認ください。

RSU(譲渡制限付株式ユニット)はいつ課税されるか

RSUは「一定期間ちゃんと勤めたら株をタダで渡す」という約束です。付与(グラント)された時点はまだ予約の段階で、税金はかかりません。課税が走るのは、勤務条件をクリアして株が確定的に自分のものになる権利確定時です。

このとき、確定日の株価×確定株数が利益として計算され、給与所得などとして扱われます。落とし穴はここ。一株も売っていなくても、確定した瞬間に税金がかかる。現金は一円も入っていないのに納税だけ発生する、という理不尽な感覚に多くの人が面食らいます。先に知っておくだけで動揺しません。

その後に売却すると、確定時の価額(これが取得価額になります)を超えた分が譲渡所得。逆に確定時より値下がりしてから売れば譲渡損失となり、他の株の売却益とぶつけて相殺できる場合があります。

RSUで多い勘違い

  • 「まだ売ってないから申告いらない」。違います。権利確定益は売却とは無関係に課税対象です。
  • 「会社が税金を引いてくれてるはず」。外国親会社からの付与だと、日本側の給与天引きに反映されていないことがあります。引かれていない前提で確認を。
  • 取得価額をゼロで売却益を計算する。確定時にすでに課税済みの価額が取得価額です。ゼロで計算すると、同じ利益に二回税金を払うことになります。

ストックオプションはいつ課税されるか

ストックオプションは、決められた価格(行使価格)で自社株を買える権利です。外資で配られるものの多くは、日本の税制優遇の要件を満たさない「非適格」型。この場合は権利を行使して株を取得した時点で課税されます。

行使日の株価と行使価格の差が利益となり、給与所得などとして総合課税。あとは売却時に、行使時の価額を基準にした値上がり分が譲渡所得になる。RSUと同じ二段構えです。

一方、日本の税制適格ストックオプションの要件を満たすなら扱いが変わり、行使時には課税されず、売った時に譲渡所得としてまとめて課税されます。適格か非適格かで、税金を払うタイミングも重さも丸ごと変わる。これは絶対に確認すべき分岐点です。付与契約書(グラントレター)やプラン規約に種類が書いてあります。読んでも判別できなければ、会社の担当部署か税理士に投げてしまうのが速い。

確定申告、この順番でやる

外資の株式報酬は、年末調整だけで片づくことはまずありません。とくに海外の証券口座(特定口座ではない口座)で持っている場合、源泉徴収がされないので、自分で申告するしかない。次の順で進めれば取りこぼしません。

  1. 一年分を棚卸しする。その年に「確定したRSU」「行使したオプション」「売った株」を全部書き出す。会社のプラン管理サイトと、証券会社の年間取引報告書が起点です。
  2. 権利確定益・行使益を出す。確定日・行使日の株価で利益を計算。外貨建てなら、その日のレートで円に直します。
  3. 給与に反映済みか確認する。この利益が源泉徴収票にもう含まれているかをチェック。入っていなければ、自分で所得に足して申告します。
  4. 売却益(譲渡所得)を出す。売却額から取得価額(=確定時・行使時の価額)と手数料を引く。これも円換算が要ります。
  5. 外国税額控除を検討する。海外で源泉徴収されているなら、二重課税を調整する控除を申告する。
  6. 申告書を作って出す。国税庁の確定申告書作成コーナーで、給与所得・譲渡所得・各種控除を入力して提出。

申告期間は原則、翌年2月中旬から3月中旬。書類集めに地味に時間がかかるので、年明けすぐ動き出すくらいが、平日に時間を取れない共働き家庭には現実的です。3月に入ってから慌てると、間違いなく徹夜します。

そろえておく書類

  • 会社発行の源泉徴収票
  • 株式報酬プランの付与・確定・行使の記録(プラン管理サイトの明細)
  • 証券会社の年間取引報告書、売買明細
  • 海外で源泉徴収された場合の証憑(税額が分かる書類)
  • 適用日の為替レートが分かる資料

つまずく3点はここ

論点やりがちな誤り正しい考え方
為替換算売却時の一つのレートで全部まとめて換算する権利確定・行使・売却の各時点ごとに、その日のレートで円換算する
二重課税海外で引かれた税金をそのまま放置する外国税額控除で日本の税額から調整できないか検討する
取得価額ゼロや行使価格だけで売却益を計算する確定時・行使時に課税済みの価額を取得価額にして、二重計上を避ける

とくに為替が落とし穴です。受け取りから売却まで間が空くと、株価が一円も動かなくても、為替だけで円ベースの損益がひっくり返る。各時点のレートを記録しておくこと。これが後の計算を一番ラクにします。

株式報酬の書類を整理する手元
株式報酬の書類を整理する手元

で、結局どう動くか

やることは三つだけです。まず手元の報酬がRSUか、適格・非適格どちらのオプションかを契約書で確定させる。次に権利確定・行使・売却を一枚の表にして、各時点の株価と為替レートを書き込む。そのうえで、給与に反映済みか、海外で税が引かれているかを確認し、足りない分を確定申告で埋める。

金額が大きい、海外口座が複数ある、適格・非適格の判断がつかない。どれか一つでも当てはまるなら、株式報酬と国際税務に強い税理士へ早めに相談してください。締切直前は税理士も繁忙期で手が回らず、選べる相手も減ります。年明けすぐ動けば、相手も交渉余地も選び放題です。

本記事は2024〜2025年時点の一般的な制度に基づく情報で、個別の課税関係は付与条件・居住状況・年によって変わります。税率・限度額・適格要件は改正で動くため、最新は国税庁の公式情報を確認し、迷う点は税理士へご相談ください。住宅購入や資産配分とあわせて家計全体を見直したい方は、無料診断もご活用ください。

確定申告で損しないための準備チェックリスト

  • 手元の報酬がRSUか、適格・非適格どちらのオプションかを契約書で確定させる
  • その年に確定したRSU・行使したオプション・売った株を一年分すべて書き出す
  • 権利確定・行使・売却の各時点ごとに、その日のレートで円換算する
  • 権利確定益・行使益が源泉徴収票に反映済みかを確認する
  • 取得価額は確定時・行使時の課税済み価額を使い、二重計上を避ける
  • 海外で源泉徴収されていれば外国税額控除を検討する

よくある質問

RSU(譲渡制限付株式)はいつ課税されるのですか

一般に、RSUは付与時ではなく権利が確定して株式を受け取る「権利確定(ベスティング)」の時点で、受け取った株式の時価相当が給与所得などとして課税される扱いが基本とされています。さらに売却して利益が出れば、その譲渡益に別途課税されます。具体的な課税区分や時期は付与条件で異なるため、最新は公式情報や税理士にご確認ください。

RSUやストックオプションは確定申告が必要ですか

一般に、海外親会社から付与された株式や国内給与で源泉徴収されていない所得は、ご自身での確定申告が必要になる場合が多いとされています。給与が一定額を超える方や複数所得がある方も対象になりやすい点に留意ください。要否は個別事情で変わるため、最新は公式情報や税理士へご確認ください。

二重課税にならないか心配です。どう整理すればよいですか

一般に、株式を受け取った時点の課税と、売却して得た譲渡益への課税は別物として整理されます。受取時の時価が後の譲渡益計算における取得価額の基礎になる考え方が基本とされ、適切に把握すれば同じ利益への重複課税は避けられます。算定根拠の確認は専門家にご相談ください。

確定申告で損をしないために、何を準備しておくべきですか

一般に、付与・権利確定の通知書、ベスティング時の株価、売却時の約定書、為替レートの記録などが取得価額や譲渡損益の算定根拠となります。外貨建ての場合は円換算の整合も重要です。書類の保管と早めの整理が申告の精度を高めます。判断に迷う点は税理士にご確認ください。

本記事は一般的な情報提供であり、個別の法務・税務・投資・医療上の助言ではありません。税率・控除・限度額・助成などの制度は改正により変わります。最新かつ正確な情報は公式機関の発表や専門家へのご確認をお願いします。

文・編集/世帯白書 編集部 ・ 監修:準備中(公開時に有資格者を明記します)

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