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妊活・出産

産休・育休中のお金、世帯の家計はどう変わる

この記事の要点

  • 休んでいる間も「無収入」にはならない。会社の給与は止まるが、健康保険と雇用保険の給付が代わりに入る。
  • 育休給付は「最初の半年は手厚く、その後は細る」二段構え。家計のカレンダーはこの段差を前提に引く。
  • 給付は非課税、社会保険料も免除。だから「給与の何割」という額面の数字より、手取りの落ち込みは小さい。
  • 最大の敵は金額より「後払い」。入金まで数か月空く谷を、現金で埋めておくのが最優先。
  • 本記事の数値・制度は2024〜2025年時点の一般的な内容。最新は公式情報や勤務先・専門家へ。
怖がるべきは「給与が止まること」ではなく「入金のタイミングがずれること」です。

出産前に静かに効いてくる不安は、たいてい「休んでいる間、この家計は持つのか」という一点に集まります。世帯収入が高い家ほど、住居費も保険も習い事も、収入に合わせて積み上がっている。だから収入が一段下がる数か月を、気分ではなく仕組みで把握しておくと、不安の半分は先に潰せます。結論から言えば、怖がるべきは「給与が止まること」ではなく「入金のタイミングがずれること」です。順に見ていきます。

まず「3つの期間」と、お金の出どころ

産前産後から育休にかけては期間が3つに分かれ、そのたびにお金の蛇口が切り替わります。会社の給与という蛇口が閉まっても、別の蛇口が開く。そういう構造です。

期間主な給付出どころ
産前産後休業出産手当金健康保険
育児休業育児休業給付金雇用保険
出産時(一時金)出産育児一時金健康保険

給与が出ない期間も無収入ではない、というのがここの肝です。出産手当金は産前産後の休業中に、育児休業給付金は育休に入ってから。出産費用そのものには別枠でまとまった一時金が出ます。どれも自動では振り込まれません。勤務先か加入している健康保険組合を通した手続きが要る、と先に覚えておいてください。

不妊治療の費用イメージ(保険適用後の目安)
ステップが上がるほど1回あたりの費用は上がる024681012(保険適用後・1回あたり目安・万円)タイミング法約0.3〜1万円人工授精(AIH)約1.0〜3万円体外受精(IVF)約4.0〜10万円

※2022年の保険適用後の目安です。回数・年齢制限・自治体助成・自費分で変動します。医療機関にご確認を。

育休給付は「半年で段差がある」

家計を読むうえで一番外せないのが、育児休業給付金が定額ではなく、途中で割合が下がる点です。仕組みとしては、休業開始からおおむね半年までは休業前の賃金に対して高めの割合、その後は割合が一段落ちる。「最初は手厚く、半年で細る」。この段差を頭に入れておくだけで、家計のカレンダーがぐっと描きやすくなります。

そしてここが見落とされがちなのですが、この給付は非課税です。さらに後で触れる社会保険料の免除も重なる。だから「休業前の給与の何割」という額面の割合だけ見ると目減りが大きく感じても、手取りで比べた落ち込みは、その数字ほどではないのが実際です。額面の割合に引きずられて必要以上に身構えなくていい。

ただし高所得世帯は一点だけ注意。給付には算定の上限があるため、もとの収入が高いほど「休業前の収入×割合」が満額そのまま出るわけではありません。上限で頭打ちになる分、給付でカバーされない部分が相対的に大きく出ます。割合・上限額・支給期間は改正で動くので、最新は公的機関の公式情報か勤務先で確認してください。

地味に効く「社会保険料の免除」

共働きで毎月の手取りを見ている人ほど、ここの効きが分かるはずです。産休・育休中は、条件を満たす休業期間について健康保険・厚生年金の本人負担分が免除されます。毎月それなりの額を持っていかれていた保険料がゼロになる。給付と合わせると、家計の体感としての落ち込みはさらに緩みます。

しかも免除期間は、将来の年金額の計算上は保険料を納めた扱いになるのが通例です。「払わない分、老後の年金が減るのでは」という心配はこの設計では基本的に要りません。ただし免除は申し出や手続きが前提のケースがあります。妊娠が分かった段階で、勤務先の労務担当に「いつ何を出すか」を一度聞いておくのが確実です。

夫婦で取るとどうなるか

制度は近年、夫婦そろって育休を取りやすい方向へ動いてきました。父親が出生直後にまとまって休める枠、夫婦が一定期間ともに取った場合に給付の割合が手厚くなる仕組みなどが順次入っています。世帯としては「いつ・どちらが・どれくらい休むか」を設計する余地が、確実に広がっています。

共働きで決めるときの、現実的な勘所はこの3つです。

  • 収入の高い側を長く休ませると、世帯の収入減は大きく出やすい。給付に上限がある以上、高収入側ほど「給付で埋まらない部分」が膨らみます。基本は、高収入側は短く、で組むと谷が浅い。
  • 逆に短期でも二人で重ねて取ると、手厚い給付の条件に当てはまる場合がある。最新条件を前提に、あえて期間を重ねる取り方を検討する価値があります。
  • 給付は後払いが基本。申請から入金まで時間がかかり、休業直後はしばらく「入ってこない月」が続きます。二人同時に休むなら、この谷も二人分そろって来る、と覚悟しておく。

共働き世帯の、現実的な備え

制度が支えてくれるとはいえ、家計に本当に刺さるのは「タイミングのずれ」です。給付は後払いで、最初の入金まで数か月空くことも珍しくない。額面が高い世帯ほど住居費・教育費・保険・サブスクといった固定費も重く、入金の谷でひやりとする。だから休業に入る前にやることは、欲張らず次の3点に絞ります。

  1. 「入金が止まる谷」を現金で埋める。給付が始まるまでの数か月分の生活費を、すぐ動かせる形で別に確保する。この時期だけは投資に全部回さず、現金の厚みを一時的に増やす。守りの局面です。
  2. 固定費の棚卸しを一度だけやる。保険・通信・サブスクを休業を機に見直す。収入が一段下がる時期は、固定費を1万円削る効果が普段の何倍も大きく効きます。
  3. 世帯のキャッシュフローを1枚に並べる。「いつ給与が止まり、いつ・いくら給付が入り、いつ復職するか」を月単位で書き出すだけ。不安の正体はたいてい「分からなさ」なので、見えた瞬間に半分は消えます。

家計全体の見通しや、住宅ローン・保険を含めた固定費の整理にまで踏み込むなら、まず現状を客観的に把握するところから。当サイトの無料診断は、その最初の棚卸しの入り口に使えます。

家計の入金カレンダーを書き出す手元
家計の入金カレンダーを書き出す手元

最後に

産休・育休中のお金は、「給与が止まる」一点だけ見ると怖い。でも実際は、給付・非課税・社会保険料免除という複数の仕組みが重なって、手取りの落ち込みは想像より浅いことが多い。怖さの正体は金額そのものではなく、「いつ何が入るか分からない」ことのほうです。期間ごとの流れを一度紙に落とし、入金の谷を現金で埋めておく。やることはそれだけで、出産前後の数か月は驚くほど落ち着いて過ごせます。給付率・上限額・免除や夫婦取得の条件は改正で変わります。本記事は2024〜2025年時点の一般的な情報であり、具体的な金額・適用は公的機関の公式情報や勤務先、必要に応じて専門家にご確認ください。

休業に入る前に整える、家計の備えチェックリスト

  • 給付が始まるまでの数か月分の生活費を、すぐ動かせる現金で別に確保する
  • この時期は投資に全部回さず、現金の厚みを一時的に増やす
  • 保険・通信・サブスクなど固定費を休業を機に一度だけ棚卸しする
  • いつ給与が止まり・いつ給付が入り・いつ復職するかを月単位で1枚に書き出す
  • 免除や手続きのタイミングを、妊娠が分かった段階で勤務先の労務担当に確認する
  • 給付率・上限額・夫婦取得の条件は公的機関の公式情報や勤務先で最新を確認する

よくある質問

産休・育休中は給料が出ないのですか。

勤務先が無給とする例が一般的ですが、その間は健康保険から出産手当金、雇用保険から育児休業給付金が支給される仕組みがあります。支給額は休業前の賃金を基準に一定割合で算定されるのが通例です。給付率や上限は改正で変わるため、最新は公式情報や勤務先・専門家への確認をおすすめします。

夫婦ともに育休を取ると世帯収入はどの程度減りますか。

育児休業給付は休業前賃金の全額ではなく一定割合での支給が一般的なため、額面より手取りベースで考えることが大切です。一方で社会保険料の免除など負担が軽くなる面もあります。世帯ごとに条件が異なりますので、具体的な試算は最新の公式情報やファイナンシャルプランナー等へご確認ください。

育休中も社会保険料や税金はかかりますか。

一定の要件を満たす育児休業期間は、健康保険・厚生年金の保険料が本人・会社ともに免除される制度が広く知られています。免除期間でも年金記録上は不利にならない扱いが一般的です。住民税は前年所得を基に課税されるため育休中も納付が必要な点に注意し、詳細は専門家へご確認ください。

出産でまとまった給付や一時金はありますか。

出産に際しては、加入する健康保険から出産育児一時金が支給される仕組みが広く知られており、医療機関への直接支払い制度を利用できる場合もあります。金額や手続きは制度改正で変わることがあるため、最新は公式情報や加入先の保険者へご確認ください。なお本内容は一般的情報であり、医師の診断に代わるものではありません。

本記事は一般的な情報提供であり、個別の法務・税務・投資・医療上の助言ではありません。税率・控除・限度額・助成などの制度は改正により変わります。最新かつ正確な情報は公式機関の発表や専門家へのご確認をお願いします。

文・編集/世帯白書 編集部 ・ 監修:準備中(公開時に有資格者を明記します)

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